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習作でもお気に入りはある

前々回の記事で習作はいまひとつという認識に至ったので、前回は定例会作品集からの転載を中止した。にもかかわらず、今回はまた習作をひとつ載せようと思う。昔書いた作品は保存しているのもあるが、保存していないものも数多くある。今ではそんなことはしないだろうが、これまでに二度ほど、手持ちの作品や日記などを燃やしてしまったこともある。まあそのときはそれがいい考えだと思ったのだろう。その中には自分では気に入っていて、なかなかいいなというのもあったのだが、いまとなっては手に取るすべはない。頭の中にはアイデアが残っているので、その後再現したものもあるが手をつけていないものもある。最近、ふとそんな作品のひとつを思い出して、あれは燃やしたのではなくてたしか定例会作品集に載せてもらったな、というのがあった。(定例会作品集のリストアップをしたときに気づいた)で、ここに載せておこうという気になったのである。手直ししたい表現や文字が多く(誤字もある)、中には不適切かなと思われる表現もあるが、定例会作品集のまま写すことにする。読み返してみると、話の運びに破綻があるが、それもそのままにしておく。400字詰めで15枚弱と、そのころの自分にとっては(いまでもそうだが)長い作品である。

転載のため掲載を中止しました

載せてもらったのは定例会作品集 第3号。1973年2月発行。ペンネームはS.A。作品の最後に1972.12と書いてある。チャチャヤングがまだ放送されていた時期だ。この物語の舞台になった村は、実際に大学生のときに訪問した兵庫県中部の村の風景がもとになっている。そして創作研究会の同人誌に始めて掲載していただいた作品「山の章」(北西航路2号 1975年10月27日発行)のもとになるというべき作品である。(但し「山の章」の舞台の村は奈良県をイメージしている)年を経るというのは恐ろしいもので、とつぜんこうして昔の作品を思い出したりする。もちろん手書きなので、書き写すとけっこうしんどい。でもまあ青焼きコピーの用紙が朽ち果てるよりは、こうして電磁的記録に残しておいたほうが長持ちするだろう。(そうでもないかな?)個人的な思いだけで社会的価値などないのだが、ラスコーの洞窟壁画を描いた人間だって、同じような気持ちだったのかも知れないではないか。

2012年10月25日発行の「怪談実話系/妖 ~書き下ろし怪談文芸競作集~」 『幽』編集部:編 メディアファクトリー:発行(MF文庫 ダ・ヴィンチ)590円+税 に拙作「花見幕」が掲載された。といっても本文ではなく、MF文庫の「付録」として巻末奥付のあとに付けられたものである。これはネットの「ウェブ幽」の読者投稿怪談コーナーに投稿したものが転載されたのだ。残念ながら読者投稿怪談コーナーは2012年8月をもって終わってしまったが、その最後の8月募集テーマ「幕」に投稿したものである。わずか1ページの付録といっても文庫本に掲載され、多くの人に読んでいただけると思うと素直に嬉しい。ありがとうございます。

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