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もうひとつの「びん」

前回、いや「増刊号」をはさんだから前々回か、第4回星新一ショートショートコンテストに入選した「びん」という作品のヒントになったものを紹介した。そのときに、もうひとつヒントになった下書きがあると記した。「漂着」というタイトルで、ノートをちぎって片面3枚に書いている。(風の翼の個人特集号(2007年7月)に載せた「漂着」とは別物である)清書はしていなくて、線をひいたり一部を消したりいろいろ修正を加えている。下書きなので文章になっていない部分もあり、今回はそういった箇所だけ最低限手を入れておく。作成日付の記載はない。

転載のため掲載を中止しました

書き写してみると、結構長い下書きである。まるまる8枚あった。写していて、ブラッドベリの「みずうみ」に似ているところもあるなと気付いたが、書いていたときには全然意識していなかった。自分にとって漂着や漂流といったテーマは、マレビトなど未知の寄り来るモノのあらわれとして昔から書きたいものだった。風の翼の個人特集号(2007年7月)に載せた「漂着」も、寄り来る側から描いた作品である。この下書きと「漂着」と、どちらを先に書いたのかは憶えていない。前々回の「びんがいっぱい」やこの下書きから、ショートショートコンテストに応募した「びん」が生まれたのは間違いないところだろう。「びん」は400字詰原稿用紙換算で1枚半に満たない。それに対して「漂着」は31枚。枚数はずいぶん違うが書くことのモチベーションの出どこは同じテーマである。ショートショートコンテストには最初、この下書きか前述の「びんがいっぱい」かどちらかをブラッシュアップして出そうと考えていた記憶がある。だが結局ごく短い「びん」に落ち着いた。刈り込むというよりは天啓のようにひらめいたのだろうな。結果、優秀賞をいただいた。このブログで以前書いたかもしれないけれど、「びん」というタイトルはブラッドベリの「壜」(十月はたそがれの国:所載)からイメージしている。

昨年投稿した「てのひら怪談ブログ」の選考があった。残念ながら、大賞(1)、優秀賞(2)、佳作(4)、各審査員の特別賞(3)にすべて外れた。ただ、各審査員のベスト30には、3人とも選んでいただいている。加門七海さんが「お迎え」、福澤徹三さんと東雅夫さんが「みによんの幽霊」。まあよかった、というか嬉しい。アンソロジーに載せていただけるかどうかわからないが、そうなればいいなと思う。


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